わたし、週に２日は介護の仕事をしているんです。昨日は朝から晩まで自転車を漕いで、ヘルパーの仕事をしていました。

この会社で担当しているのは大森の物件で。入居していただく組合員の募集をしているところです。先週は説明会をやりますので来てください、というチラシをどれくらいポスティングするのかとか考えていました。この辺りにお住まいの方々に来てほしいね、って地域を決めたりしながら。あとはチラシもずっと同じデザインだと飽きちゃうし。今回はどうしようか、って考えるんです。１回目の説明会はよかったんですけどね。先週はそこまで参加いただけなくて。難しいですよね。いいチラシでも、反響が変わったりするんです。

今はコーポラティブ事業部のマネージャーをしているんですけど、コーポラティブハウスのキャリアが長かったわけじゃなくて。コーポラに関しては、まだまだ新人です。ただ、不動産業歴が長いんです。平成元年入社ですからね。

大学を卒業してから、まずはマンションディベロッパーに就職しました。リクルートコスモスです。みんな、勢いがあって。でも本当は人と話すのがいやで。大学時代は獣医を目指していたんですよ。

入社したときはバブルでしたね。内定者もたくさんいて。でも内定者時代にリクルート事件です。まあ、面白い会社でしたね。はじめは住まい方とか考えられると思って企画を希望したら、地上げの企画のほうにまわされて(笑)それで、バブルがはじけちゃったから、今度は営業に行け、ってなって。電話帳渡されて、片っぱしから電話していました。とんでもないところに来たなって、思いながら数年過ごすんです。

そしたらマーケティングのほうに移動になって。市場や値段、商品、土地などをどう料理するか。はじめは四苦八苦しましたけど、結構ツボにはまりました。社内決済をバーンっと取りに行ったり、仕入れ部隊や営業と喧嘩しながら仕事していました。でもそもそも自分たちが住みたいエリアの物件じゃなかったんですよね。だから経営陣にちゃんと利益をあげるからチャレンジさせてくれ、って言ったこともありました。

結局、リーマンショックの後までいましたから。骨を埋めるつもりで、このまま社会人も終わっていくのか、と思っていたんですけどね。

そのあとはホームインスペクションとコンサルティングの会社に転職しました。第三者の立ち位置で不動産の相談を受けるところ。そこで仲介を担当していたんです。でもやってみて、仲介っていやだなとは思っていて。なぜなら仲介業者って、お客様のことを考えない。自分のスケジュール、自分の利益、という感じで、自己都合ですよね。でもそれを変えたい会社だったんです。

そんなことをしていたら、父が倒れてしまって。仕事をしながら介護するのは難しかったので、退社して東京を離れたんです。それではじめて介護の勉強をして、介護士の卵になって、認知症対応の施設に勤めていました。生きているうちに避けては通れない世界なので、どっぷり現場からやってみようと思ってチャレンジしました。やってみないとわからないことって多いですよね。本を読んでも勉強できることはあるんでしょうけど、実際に現場を目にしないと腹に落ちないのかな。

それでたまたまリクルートコスモス時代の後輩が介護事業をやっていて。「そろそろ落ち着いたんじゃないの」って声をかけられて。父も在宅介護は無理だったし、施設でいろんな人と関わったほうがいいと判断したこともあって、東京に戻ったんです。介護職として。

自転車漕ぎながら、人の家に行く。ごはんつくったり、お風呂を手伝ったり。福祉業界でも経営の立ち位置でサポートしていくこともできたかもしれない。そういう同期もたくさんいるので。でもやっぱり現場感覚が重要だと思って。

しばらくして、やっぱり住まいに関わる仕事もしたいと感じました。長い間、商品企画に携わっていましたからね。そんなときに社長にたまたま再会し、コーポラティブハウスの事業を継続していること事を聞きました。話を聞いていたら、住まい手に合わせて住まいをつくることに挑戦したいと思い、不動産業にも復職することにしました。そんな感じで、今はこっちの仕事もして、ダブルワークをさせていただいて。会社には感謝しています。

レールに乗っかって、達成していくやり方もありますけど、まだ見たことがないことをやりたいんです。そのほうが発見もあるし、何が自分にフィットするのか、今でも探しているのかな。