コーポラティブハウスをやってきて、だいぶスタッフも育ってきて、次はどんな事業をはじめようか考えているところです。最近は地方、特に福岡でまちづくり系の仕事が増えています。

たとえば、福岡県北九州市でやったサトヤマヴィレッジは、行政や地元の大学、企業との連携で実現した産・官・学プロジェクトですが、評判がよくて。

「里山で暮らす」をコンセプトに、計画地内に１本も道路をつくらず800本以上の樹木で雑木林をつくり、その周りに43戸の戸建を配置することで、普通に造成するのと同じ戸数を、道路にかかる費用をかけずに建てられる。戸建てなんだけれどもマンションのように管理組合があって、サトヤマを住民のみなさんで楽しく管理されています。

サトヤマヴィレッジのような街をつくりたい、という声をたくさんいただきます。今は地方創生で予算があるのかもしれないけど、コンサルタント会社が絵だけ描いておしまい、ということも多いですが、私たちはちゃんと形にして、運営し続けることもできる。

自分の仕事はリクルートコスモス（現コスモスイニシア）からはじまりました。仕事は仕込み、つまり土地を買う役割です。コスモスはマンション開発をしていたんだけれども、配属はウォーターフロントなどの再開発事業をする部署。ところがリクルート事件ですべて凍結してしまったんです。そのあとはマンションの仕込みを担当しながら、結局12年勤めました。

そのあと都市デザインシステム（現UDS）に入りました。当時は、コーポラティブハウスだけで上場するという計画だったので、たくさんの物件を仕込む必要がありました。それで声がかかって。しばらく働いていくうちに地方担当になっていったんです。札幌や九州、最後は上海やベトナムも担当していました。とくに福岡は地元だったので、いろんな縁があったことも大きくて。そのときからまちづくりはできるんじゃないか、と思っていました。

今はどんな仕事をしたいのかと言えば、社会的に意義のあるものがしたい。時代が変わってきて大量生産はもうしなくていいし、今までにないものをつくることも当たり前になってくるのかなと思います。

結局、自分は困っている人と一緒になって、想いをカタチにしていきたいのかな。この会社の「想いをカタチに」というメッセージも、会社をつくったときに誰かから出てきて、みんなそれでいけると思って即決したんです。

ただ、想いをカタチにすることは、やっぱり難易度が高い仕事だと思うけどね。

たとえばコーポラティブハウスができるなら、その賃貸版はできないかな、とか、さらにそれを高齢者向けに派生させていけないかな、とか、いつも考えながら仕事をつくっているように思います。今後は海外でも事業展開したいと思っているから、タイのコンドミニアムを使ってコーポラティブハウスができないかな、とか。

コーポラティブハウスに限らず、この会社の本質は、コーディネートすることにあるんです。いろんな人の話を聞いて調整していく。さらに建てた後も関わることで、想いをカタチにすることができるんだと思います。

そのためには、それぞれ役割があるんだけれども、設計の人間も収支がわからないといけない。電卓たたきながら、コンセプトを考えて設計する。絵だけ描いてもしょうがないし、みんなそういう働き方をしていると思います。なんでもやってみたい、という人がいいのかな。

これからも同じように継続していける会社にしたいです。それぞれが自分の頭で考えて、自走できるような。時代によって変化していくので、ニーズに合わせて提案できるようにしていきたい。会社もはじめはコーポラティブハウスからはじまって、仕事の幅もずいぶん広がりました。８年前に旅館をやろうなんて考えなかったし、きっとまた８年経ったら変わっていると思う。やっていくうちに見えてくるんです。

一緒に働く人には、会社を使って自己実現してもらいたいです。最初は苦労しないといけない。自分も会社で鍛えられたから、自由に働くことができたし、思う存分チャレンジできた。せっかく一緒に働いているのだから、社員にもそうなってほしいです。それを要求が高いと思うのかどうか。少々、会社の方向とズレていたとしても「これ、会社でできませんか？」って言ってくれる人がいたらうれしい。コプラスという会社を使って「想い」をカタチにしてください。